ブドウ収穫の季節


パリから車で1時間ほど走ると、あっという間に田園風景がひろがるフランス。
どこまでもつづく葡萄畑は季節の移ろいによって色合いが変化し、
美しい風景と広大な大地はこの国の宝だと感じされられます。


9月も半ばを過ぎると、ワインの産地ではいよいよブドウの収穫がはじまります。
ワイン製造者にとって手塩にかけて育てたブドウを収穫するとても大切な時期。
こまめに出来映えを確認しながら、収穫時には臨時のスタッフを雇って
一気に摘み採ります。
先日、ロワール地方のとあるワイナリーを訪れ、お話をうかがいました。
ワインの味は、その年の天候で決まると言っても過言ではない。 同じ畑で収穫され、
同じ樽で熟成させたワインでも年によってびっくりするほど味も香りもかわるそうです。
実際に顕著な例のワインのテイスティングをさせていただき、
その違いに驚きました。まさに自然の恵みによるものです。


2005年は各地で傑作ワインが生まれた年として有名ですが、
2009年ものもそれにひけをとらない出来映えだったそうです。
テイスティングの愉しみは、味わいだけではありません。
まずはゆっくりと香りを感じてみる。
スミレの花のような香り、スパイシーな香り、干し草のような香り・・・など、
ワインには実に多彩な香りが感じられ、それらがさらに時間と共に変化していく、
まるでパルファンのようです。
美しくたわわに実った青紫色のブドウを一粒味見してみると、
小粒ながらも甘みがしっかり感じられて、そのまま食べても充分美味しい。
今年のブドウがどんなワインになるのか、楽しみです。