Dîner en Blanc 2013

Dîner en Blanc 2013



恒例の秘密の大集団ピクニック “Dîner en Blanc (White Dinner)” が6月13日木曜日に開催されました。

このイベントが他と違うのは、すべてが秘密のうちに準備され、すすめられること。
今年、ついにその一大シークレットイベントに参加しました。

日中の雨が見事に止み、開始時間には青空が広がりました。
パリの代名詞とも言える名所旧跡(コンコルド広場、シャンゼリゼ大通り、ノートルダム寺院前など)で
突如くりひろげられるピクニックディナー。
コードは白。全身白の衣装に、テーブルクロスも食器も白というこだわり。今年で25回目を迎え、およそ11000人が集まりました。
開催場所も当日の移動直前まで秘密です。それには訳があり、このような公共のスペースでのピクニックはパリ市当局により禁止されており、事前に情報がもれたり、
発見されれば通常は警察がやってきて、撤去を強いられるからです。
Eメールで連絡をとりあいながらフラッシュモブ(大人数が公共の場に突如集合し、目的を達成すると即座に解散する)スタイルでおこなわれ、場所への移動も開始時間ギリギリにはじまります。警察もあきらめるほどのスピードで一斉にテーブルセッティングをしなければなりません。

長年マナーを守り、紳士なパーティとして継続してきたこのイベント。ゴミ袋(色はもちろん白!)も持ち物にリストされ、終了後一切のゴミを出さないように努めています。 毎年警察もパトロールにやってきますが、温かく目をつぶってくれているようです。

今年の開催場所はエッフェル塔を臨むトロカデロ広場とルーブル美術館のピラミッド周辺の2ヶ所。
世界中から観光客が集まる美しい場所です。
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セッティングも終了し、いよいよディナーのスタート。
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参加者はいくつものグループになっており、持ち寄った食事や飲み物をシェアし味わいます。

グルメなマダム、ワイン好きのムッシュー、このイベントで一年ぶりに会う仲間のために、
とっておきの一本をカーヴから持ってくる方も。
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そしてDîner en Blanc のもう一つの小さなルールは、白いキャンドルを持参すること。
日暮れと共にあたりは無数のキャンドルの灯りに包まれます。
美味しい食事にワインやシャンパーニュをキャンドルライトで。
まさにフランスのArt de Vivre / 生活美学。楽しい時間は黄昏とともに過ぎてゆきます。
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夜も深まる頃、恒例の演出があります。手持ちの小さな花火を一斉に点火。
白い群衆が明るくパリの夜空に照らし出されます。
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音楽や映像も流れますが、これらはすべて有志によるものだそうです。
宙に舞い上がるランタンの幻想的なパフォーマンスも。
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こんなスケールの大きなイタズラのようなイベントに、手を抜かず本気で取り組む大人たち。
フランス人たちの人生を楽しむことへの情熱を感じた一夜でした。
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