ISSEY MIYAKE 新作香水


6月某日。パリの装飾美術館で行われたISSEY MIYAKEの新作香水のプレス発表会にご招待いただきました。
白い空間に、ピンクとオレンジを基調としたデコレーション、イッセイ ミヤケのアイコン的シリーズ「プリーツ プリーズ」のローブを纏った女性達によるお出迎え。
まずは香りを、と香りを吹き付けてあるプリーツ素材で作られたリストバンドをいただきました。
香りの第一印象は、はじけるようなフルーティーさに、やわらかなバニラの甘さ。


まもなく、会場には音楽が流れはじめ、プリーツドレス姿の女性達のダンスがはじまりました。会場を楽しげに駆け巡ります。


ISSEYのシンボリックなシリーズ、PLEATS PLEASE
彼女達が動くたびに弾むように揺れ、軽やかに宙をなびく、プリーツ素材の生地の動きはとても楽しく美しいものでした。
このプリーツ素材のシリーズは、1993年に発表され、モード界を震撼させました。幾十にも折られた生地は、伸縮性に富み、動きと共に表情を変えます。イッセイは当時、この生地を「トースターからパンが飛び出したような」と表現しました。
またPLEATS PLEASEにはこのようなコンセプトがうたわれています。
・クリエイティブかつ実用的
・モードかつ日常的
・普遍的かつトレンディー
・クラシックかつ最先端
PLEATS PLEASEは発表以来20年にも渡り、世界中の女性に纏われています。驚くほどに軽やかで着心地がよく、あらゆる年齢や体型、肌の色、動きにもマッチする、世界でも数少ないユニバーサルな服であるとイッセイは語ります。PLEATS PLEASEは服に自由な飛躍をもたらしました。
新作香水のタイトルはその名も
『PURFUM PLEATS PLEASE ISSEY MIYAKE』。



まさにこのイッセイ・ミヤケのトレードマークとも言えるPLEATS PLEASEからインスピレーションをうけたものです。
イッセイ・ミヤケのパルファンといえば、ロングランヒットを続けている”L’Eau d’Issey / ロードゥイッセイ”シリーズが有名ですが、今回の新作は全く新しいラインとして、長年の構想の経て発表されました。
調香は、ジボダン社のNez(調香師) Aurélien Gichard / オレリアン・ギシャール。
瑞々しい日本のNASHI / 梨を基調とし、幸せのネクター、人生の歓びを感じさせるピーチなどのフルーティノートが楽しさときらめきのブーケを創り出します。さらにシャクヤクやスイートピーなどのフレッシュフローラルに、穏やかな甘さのバニラ、ラストにはセンシュアルなインドールがのぞきます。
オレリアン・ギシャールは、プリーツのようなバーティカルな動きを香りで表現しました。真のフローラルはまゆ綿に包まれたような純粋な女性らしさを感じさせます。その香りはどこか人なつこく、クセになるような印象です。
注目したいのは、香りだけでなく、フラコンです。このなんともユニークな形!
多面体になったガラスは、楽しく動く凹凸が思いがけない形をつくりだす、イッセイ・ミヤケのバッグ『BAO BAO』からのインスピレーション。幾つも平面のピースが、その都度違ったフォルムの立体になる面白さがあります。
キャップは白い花の萼(ガク)とプリーツの襞が表現され、印象的。
香水のプローモーションフォトとムービーを担当したのは、モード界の重鎮フォトグラファー、ニック・ナイト。
「PLEATS PLEASE からは様々なイマジネーションが湧いてくる。プリーツが動くと身体の動きも変化する、その動きにともなって色も変化する。それはまるでカレイドスコープの目の錯覚のようだ。」
と語り、PLEATS PLEASE の世界を、エネルギッシュで歓びに溢れたムードで表現しました。


いまだかつてなく、モードとダイレクトに結びついた新作パルファン。イッセイ・ミヤケはひとつの回答を、いつまでも揺れ動くプリーツに託しました。
“Le monde bouge, le parfum aussi! / 世界は動く、香水もまた!”
このモダンでナチュラルな香りは世界の女性の肌の上で人生の歓びやきらめきを表現するように纏われるでしょう。
フランスでは、今年の9月に世界に先駆け発売(オードトワレ100ml/50ml/30ml)。日本では2013年に発売される予定です。